B-Future News 2016年4月号

時間とお金を節約する清掃法とは?

安く買い物ができたと思っても、買った物にすぐ飽きてしまったり使えなくなったりしては意味がありません。清掃も同じことが言えます。長期的な計画を立てることでコストと時間を効果的にかけることができ、その結果、環境にも配慮した清掃が可能になります。興味深い記事がありましたので引用します。
(CleanLinkウェブサイト『Refine Floor Programs With Less Stripping』、『Techniques To Protect Floor Finish』より引用しました。)

===引用ここから===

剥離回数を少なくするために、床メンテナンスプログラムをもっと洗練させる

剥離頻度を少なくすることでフロアメンテナンスにかかる費用を最小限にできる。

清掃業務管理者であれば、古くなったフロアコートを剥離して新たなフロアコートを塗布するには、非常に費用がかかることをご存じであろう。また、この工程を担当するスタッフにとっても、リスクを被る可能性のある作業なのである。

しかし、費用とリスクの両方を減らすにはどのようにすべきなのか?その答えは、最良の製品を使い最良のやり方で作業することだ。しかし、答えはそれだけではなく、もっと重要なのは、剥離の頻度をより少なくすることなのだ。目標の設定、計画、製品の選択、作業手順、トレーニングを通して、これが可能になるのだ。

床プログラムを改善する

剥離の頻度を減らすには、まず改善されたフロアケア計画の設定と実施が必要である。

品質の高いフロアフィニッシュは床を守るように設計されている。フィニッシュコーディングを塗布するのは、その目標として床を保ち保護することにあるのだ。もし表面がすぐ摩耗してしまうようなフィニッシュを塗布してしまったら、床は人の往来ですぐにダメージを受けてしまうので、そのまま剥離をしなければならなくなるのは至極当然のことであるとも言える。だからフロアフィニッシュを塗布したら出来る限り長い期間手入れをして、人の往来による摩耗や断裂を受けないように守ることが必要なのだ。

フィニッシュが塗布された床を保護するためにまず必要なのは、質の高い製品を使うことだ。アメリカ製ブランド製品を扱っている地元の販売業者と懇意にしているなら、その業者にもこの取り組みに加わってもらい、彼らの経験分かち合い、サポートしてもらえるよう頼んでみるとよい。製品の選択は最初に行う作業の1つだ。なぜなら、新製品をテストしたり評価したりするのには時間がかかるかもしれないからだ。

また、選択すべき製品として、マット、ホコリの制御のための用品、日常の清掃用品、管理者側で設定した美観目標を達成できるようなフロアフィニッシュが挙げられる。美観についての目標は熟考すべき重要な事項である。もし、濡れたような艶を出すことが目標であれば、美しくクリアーで明るい見た目にすることを目標にした時よりも、床のバーニッシング回数をより多く設定すべきである。

床をどのような見た目に仕上げるかについての目標を設定したら、その目標に応じたフィニッシュを選ぶことだ。考えるべきことは『buffability』、つまりバフが可能であるかどうか、である。フィニッシュに含まれる可塑剤の量が多いほど、塗布後すぐにバフが可能になる。しかし、同時にスカッフマークが付きやすいということでもある。

バフ作業は、見た目を良くするという目標のためだけに行われる。だから清掃工程の一つではない。ゆえにフィニッシュが乾いた時に、良い光沢が出て明るい感じになるようなフィニッシュを選ぶことが一番いいのかもしれない。そしてどのようなフィニッシュを選ぶにせよ、床のバーニッシュを行うには最低でも48時間は待たなければならない。

経験豊富な販売業者や化学製品の販売代理店が必要とされる場面は多くあるが、フロアフィニッシュの選択もその一場面に当てはまる。販売業者や販売代理店はフィニッシュの種類やメンテナンス計画を見極めて、目標にしているフィニッシュ塗布後の床の状態を可能にするためのサポートをしてくれるだろう。

例えば、床のメンテナンス担当者がかなりの技術力を有する場合、品質の高い25%非揮発性固形分フィニッシュを選ぶといい。高い固形分の方が高品質だと言う誤解に囚われないでほしい。この考え方はもちろん誤りである。高い固形分はただ単に生成物質が多いということであり、その生成物質は床の上で乾く。25%の固形分のフィニッシュ製品は(もちろん製品によりけりではあるが)その予算に応じて製造され、その価格に見合った耐久性があるとされる。

また、12インチ(約30 cm)のビニール合成タイルの床の場合、そのタイルのメーカーがすでにタイルにコーティングを施していることを忘れてはならない。そのコーディングは除去しなければならない。このコーティングはファクトリーフィニッシュと呼ばれ、タイル同士が保管時や輸送時の箱の中でくっつくのを防ぐ役割がある。ファクトリーフィニッシュの除去は一般的にとても簡単で、薄い剥離溶液でスクラブ洗浄したのち、すすいで落とす。一度ファクトリーフィニッシュを落としたら、普通のフィニッシュの塗布が可能になる。

塗布時の一般的な決まりの一つとして、1回の塗布ケミカルの固形分が100%未満になるようにすることが挙げられる。つまり1日に25%非揮発性固形分フィニッシュを4コートするということである。4コートを超えると、最後のコートが、意図された反応よりも柔らかい状態に仕上がってしまうかもしれない。こうなるとブラックマークが付いてさらに汚れが詰まり、変色の原因となる。ダストモップや湿らせたモップで汚れを取り除かなかった場合、汚れがコーティングに押し付けられてしまうために、こういうことが起こるのだ。こうなると後の日常清掃で汚れを取り除くことは不可能になる。

フロアフィニッシュを守るテクニック

一度フロアフィニッシュを塗布したら、それを守るのがスタッフにとって重要な任務だ。その場所の人の通行を再開する前に、きれいな、もしくは新しいウォークオフマット(廊下など人通りが多い場所に敷くマット)を設置し、そのマットを適切に手入れすることが必要である。汚れが床についてしまう前に、ウォークオフマットはたくさんの汚れを長い間捕らえてくれる。汚れやほこり、水や油脂が床を汚さないためにマットのバキューム掛けを毎日行えばいうことはない。新しい床を守るための次の工程は、ダストモッピング、つまりほこりを取るためのモップ掛けだ。

玄関やその他の“A”エリア——屋外の入り口部分やその他人の往来が激しく、初期の摩耗が見られる場所——のダストモッピングをスタッフが効果的に行えるようにトレーニングを受けさせる。具体的には1日に2回、清潔で処理されていないマイクロファイバー製のダストモップを用いる。ダストモップは定期的に洗ってきれいに保つこと。もしくはホースを取り付けたバキュームを使って、ゴミを集めること。きれいなモップは床から微細な粒子を取り除くのにより効果的だ。

ウェットクリーニングを行うときは、清掃方法と製品がその場所の汚れの堆積状態と合っていることが大切だ。例えば、3階建てのハイクラスなオフィスビルでは小学校の食堂の清掃とは違ったやり方が必要となるだろう。販売業者やケミカル製品からサポートを受ければ、より簡単にこの判断ができる。しかし、この判断をする目的は、床のメンテナンスを通してしつこい汚れが付かないようにすることである、ということを忘れないようにしたい。そうすることで剥離の頻度を減らせるという、プラスアルファのご褒美が手に入るのだ。

病院、学校、大学、その他多くの施設では床の手入れプログラムをすでに実施しており、剥離の頻度を減らしている。結果としてメンテナンスコスト、労働時間の削減に成功しており、スタッフをリスクにさらすことも減っている。加えて利点といえば、環境へのメリットである。–水、電気、ケミカル等の節約である。

毎日の清掃は、剥離とフィニッシュの塗布頻度を減らすのに役に立つが、剥離とフィニッシュを完全になくせるわけではない。剥離は床の手入れプログラムで依然重要な工程の一つである。それだからこそ、その業務の頻度を減らすことができる利点は明らかであるのだ。

===引用ここまで===

bfnews_201604_2_designerdry

bfnews_201604_2_pacer218UE